空の記録-Gallery of Atmospheric Optics

三重県で空を撮っています 時々ビーチコーミングの記事も書きます   当ブログはリンクフリーです

奄美遠征2024 2日目 ピラミダルを添えて

2024-03-30 鹿児島県 奄美大島

22°ハロ、上部タンジェントアーク、上部ラテラルアーク、20°カラムアーク、幻日、上部サンケーブ(凹)パリーアーク、下部ラテラルアーク、46°ハロ、9°カラムアーク、24°ハロ、24°カラムアーク、9°ハロ、9°プレートアーク、外接ハロ

22°halo, upper tangent arc, supralateral arc, 20° column arc, parhelion, upper suncave Parry arc, infralateral arc,46° halo, 9° column arc, 24° halo, 24° column arc, 9° halo, 9° plate arc, circumscribed Halo

 

奄美2024の他の日の記事 1日目 3日目 4日目

 

朝食を食べに部屋から出ると22°ハロ、上部タンジェントアーク、上部ラテラルアークが出ていました。(7:33)

この後すぐに22°ハロだけになりました。

 

食後、コに行こうと外に出たら現象たちが復活していました。しかも状態もいいです。(7:59)

B-Rすると左20°カラムアーク?


7:59


空に構っていたらせっかく奄美に来たのにもったいないじゃないかと思い直して浜に降ります。でも浜に降りても結局空を撮り続けてしまいました。だってすごいんだもん。

コはもう始めていますが空と貝が入り混じると読みにくいので先に空の方をまとめて紹介します。

上部凹パリーアークが顕在化しました(肉眼で確認)。下部ラテラルアークもおまけでついています。(8:18)


外暈(8:18)

 

下部ラテラルアーク(8:19)

 

9°カラムアーク、20°カラムアーク、22°プレートアーク、24°ハロ!

おや、一匹ピラミダルのふりした普通種が混ざってますね。(8:21)

 

ピラミダルハロ(広義)は位置がややこしいのでシミュレーション画像を置いときます。

一番濃い円は22°ハロ(名前に22°が付く現象はピラミダルではない)

 

高積雲がはけて9°カラムアークが良く見えるようになりました。このあたりから24°カラムアークの気配が出てきました。(8:22)

 

上部24°カラムアークが明瞭になりました。9°ハロも出てきたようです。(8:24)

 

ピラミダルだということを思い出して今更太陽を隠す。いつもの"太陽隠し"は宿に置いてきたので手で隠しましたが、広範囲が隠れてしまうので手で隠すのは時々にしました。(8:24)

 

左下部ラテラルアーク(8:25)

 

下部9°プレートアーク?太陽を隠していないのでこれは自信ないです。(8:28)

 

下部ラテラルアークに肉眼で気づいたのはこのあたり。(8:31)

 

下部24°カラムアーク(8:34)

 

そのあと現象の調子が悪くなってきたのでついに本腰いれてコを始めます。その30分後の空(9:07)

 

(9:14)

 

雲が高層雲化してきましたがそれでも健気に現れている外接ハロ(12:11)

 

 

では貝に移ります。昨日見たところももう一度見ていくと結構取りこぼしが多かったようで良い貝がたくさん見つかります。

ホンサバ。この時は初採集だと思っていましたが実は初日に拾っていました

 

上の方を覗くと初ムラクモダカラ!破片ですが艶々なのでヨシ

 

ついに拾えたヒメホシダカラ模様残り。近くに落ちてたコッペパン(黒カビ付き)もいっしょに

 

打ち上げラインにヤドカリの群れ。

 

ハタガイ。完品をおくれ

 

奥の方まで行くと大きめの打ち上げラインが消えてしまったので、少し波打ち際によって小貝探しを始めます。

すぐにゴマフダカラ!これも初です

 

おっ、艶々ルビーフタナシシャジク 殻頂までしっかり残っています。

 

浜の末端のほうまで根気強く探すとムギツブダカラを発見!やっとマメウサギ以外のウミウサギ系が拾えました。

 

磯の方も覗いてみましたが面白いのはいませんでした。

 

なるべく多くの浜をめぐりたいので帰りは足早に流し見します。

 

土盛での収穫

タカラガイ

ラクモダカラ、アヤメダカラ×3、ヒメホシダカラ、ハナマルユキダカラ×3、スソムラサキダカラ、ヤナギシボリダカラ、イボダカラ×2、クチムラサキダカラ、ウキダカラ、ニセサバダカラ、ホンサバダカラ、サメダカラ×2、コゲチドリダカラ、ゴマフダカラ、ツマベニメダカラ×3

今日は良品のアヤメダカラが多いです。また微小貝ラインを掃貝したおかげか、ツマムラサキ/ツマベニが沢山拾えました。同じ浜でも場所や打ち上げラインによって貝の種類が大きく異なりますね。

スソムラサキは驚異の34.2mmですがちっちゃいものクラブの記録には到底及びません。おそるべし

 

イモガイ

アンボイナ×2、ハナイモ×2、アラレイモ×2、シロアンボイナ、ツヤイモ×2、ハイイロミナシ×3、シロマダライモ×4、サヤダタイモ×2、ナガシマイモ×2、オゴクダイモ×2、イボシマイモ、ハナイモ、ハナワイモ、セイロンイモ、ハナワイモ、サラサミナシ、タガヤサンミナシ、フデイモ×2

シロマダライモの完品が四つも拾えました。シロアンボイナとナガシマイモの美品も嬉しいです。

 

アッキガイ科

シラクモガイ×2、シロレイシダマシ×2、キマダライガレイシ、ムラサキイガレイシ×4、キイロイガレイシ、クチムラサキサンゴヤドリ×2、ハナワレイシ、アカイガレイシ、ヒメシロレイシダマシ×3、ハタガイ×3、テツボラ、ツノレイシ、トゲレイシダマシ×2、クチムラサキレイシダマシ/ニッポンレイシダマシ×6、ウネレイシダマシ×6、クロイボレイシダマシ、ヒトハサンゴヤドリ×4、シロイボレイシダマシ×3、コマドボラ、コウシレイシダマシ、レイシダマシモドキ、マメサンゴヤドリ、ゴマフヌカボラ

2日目ですがまだまだ初物が出てきました。

クロイボレイシダマシが縦長すぎて最初は何か分かりませんでした。

 

フデガイ科&ツクシガイ科

クリイロフデ×2、フトコロヤタテ×4、ミダレシマヤタテ、ナガシマヤタテ、ヒメヤタテ、クチジロヒメヤタテ×2、マユフデ×2、クロオトメフデ、ミヨリオトメフデ×2、チヂミハマヅト×2、マメオトメフデ

オオシマヤタテ周辺の種に、横線の有無・位置、縦縞が途切れるかどうか、殻の形状の組み合わせで色々なパターンがあってよく分からなくなったので写真には入れませんでした。もしかしたら記事にまとめるかもしれません。

 

そして…

 

ミガキフデ!

めちゃ珍しいやつ!!!

同定に時間がかかりました。「日本列島を取り巻く~」を補遺含めて見てみると一番形が近いのがゾウゲフデ。ネットで調べると産地紹介:奄美大島 - 貝殻拾いの旅に載っていたそっくりな個体がゾウゲフデと紹介されていました。ですがTwitterで聞くとゾウゲフデではなくミガキフデだということが分かりました。

atmosphericopticsdiary.hatenablog.com

 

その他の巻貝①

ホラガイ、ソメワケカタベ、リュウテン、クチムラサキオキニシ、オボロセコバイ、バンザイラ、ジュセイラ、コオニコブシ

とても良い状態のバンザイラを拾うことができました!三美螺の中で最も拾いにくいと聞いていたので嬉しいです。

 

その他の巻貝②

ニシキニナ、サラサマクラ×3、イトカケシロネズミ×3、イトマキハラブトシャジク、シロシノマキ、キヌヨフバイ、コホラダマシ、ヤサガタムカシタモト、クリンニナ×2、ホウシュノタマ、ルビーフタナシシャジク、ヒメホラダマシ×2、タモトガイ、マルアマオブネ、コオニノツノガイ、シロナツモモ×2、アマガイモドキ、ホラダマシ、シイノミクチキレ、ハシナガツノブエ×2、ヒメジュセイラ、クチベニホラダマシ×2、ミガキタケ、ヒメイシダタミアマオブネ×2、ナツモモ、ミスジヨフバイ、ヒメカニモリ×2、ネジガイ、クリムシカニモリ×2、シリオレホラダマシ、イロアセアシヤガマ、ミダレフノシガイ×2、トウガタカニモリ、ホソジュセイラ、ヨロイツノブエ

カニか何かにやられてる方のサラサマクラは他と模様が大きく違っているように見えましたがむしろこっちが標準のようです。

サラサマクラの学名を日本語で検索するとOliva lentiginosaOliva panniculataの2種類が出てきました。調べるとOliva panniculataはキヌマトイマクラというまた別の貝の学名でした。Oliva lentiginosaWoRMSではunacceptedとなっており、またAccepted Nameの項にOliva esiodinaと書かれています。今度はOliva esiodinaを検索すると拾った貝とは雰囲気の違った貝が出てきます。微小貝データベースで検索すると和名はホンサラサマクラらしいです。(同じくホンサラサマクラの学名であるOliva duclosiはWoRMSではunacceptedとされています。)

というわけでWoRMSが認証していないだけでサラサマクラの学名はOliva lentiginosaのようです。

 

その他の巻貝③

カゴサンショウガイモドキ、ノシメアラボリクチキレツブ、ハグルマヒメカタベ×2、キイロアラボリクチキレツブ、シロイボノシガイ、ワスレシラタマ、チヂミフトコロ、シラタマガイ、ベニイタダキシロネズミ、ムギツブダカラ、コバンスソキレ、クロフボサツ×2、シワミガキタケ

シラネタケを拾っていましたが入れるのを忘れてしまいました。

ノシメアラボリクチキレツブはリシケフタナシシャジクと迷いましたが下の写真の赤線部の角度が大きいのでノシメにしました。これで見分けられるか分かりませんが。

 

二枚貝

ウミギク、ケイトウガイ、ミヒカリメンガイ?、サメザラ、ミノガイ、リュウキュウシラトリ、ツキヨミガイ、リュウキュウヒバリ、カノコアサリ×2、サラサガイ、コシロガイ、ハネガイ、フキアゲアサリ、アラヌノメ、フネガイ、ヤサガタミミエガイ、オイノカガミ、シラガザル cf. ×3、ベニエガイ、ミミエガイ、カイシアオリ

橙色じゃないリュウキュウヒバリを拾うのは初めてです。そして今日もシラガザル cf. を拾えました。

最後の3つは撮り忘れていたのでPhotoshopで画像右側をAIで延長して合成しましたがどうにかなるものですね

 

土盛の近くで昼食をとって、一日目に行ったところよりさらに北を目指します。

一つ目の浜は貝無し。

ニシキノキバフデ

この浜での収穫

ニシキノキバフデ、アジロイモ×2、シラクモガイ、ゴマフイモ、アンボンクロザメ?

 

次の浜へ移動します。

この浜も貝無し。なので奥の磯の方を覗いてみました。

オダヤカトゲレイシダマシ

 

タマゴウニ

 

貝が落ちているとは思えませんが一応北端まで行きました。ミツカドボラしか拾えなかったのでで数キロ移動してポイントを変えます。

この浜での収穫

ミツカドボラ

 

移動した先の浜はだいぶ民家に近く、現地の方が磯を歩いていました。

”この浜での収穫”は後で。実はこの浜にもう一度行ったので二回目の時にまとめて紹介します。

この浜には結構貝が落ちていたので他により拾えるところもあるだろうと早めに切り上げて次の浜へ移動しました。

しかしなぜか欠片すら落ちてない…奥まで行くとやっとボロのキバタケを見つけられましたが期待していただけに残念です。

この浜での収穫

アジロイモ、キバタケ

 

なので先ほどの浜に戻ります。南はもう見たので北を探し回りると…

大型の初フデ、マルフデガイです。

他にもいろいろ拾いましたが全然写真を撮ってませんでした。

 

この浜での収穫

大~中サイズ

シラナミ、ホシダカラ、クモガイ、アンボンクロザメ、ウズラガイ大破×2、イワカワトキワ×3、マイノソデ、アミメダカラ×2、マルフデガイ、ミカドミナシ、ハチジョウダカラ

クモガイは投棄っぽいですが、”ビーチコーミング”なので特に天然かどうかは問わず拾っちゃいます。ウズラガイはご多分に漏れず大破。

 

中~小サイズ

ホシキヌタ、クチムラサキダカラ、フナガタガイ、リュウキュウヒバリ、アジロイモ、シロマダライモ、イボシマイモ、ヒメホシダカラ、クロダカラ、イボダカラ、チリメンダカラ、カモンダカラ、マメシボリダカラ、チドリダカラ、コゲチドリダカラ×2、ヒロクチリスガイ、キマダライガレイシ、イロアセアシヤガマ、ツノレイシ?、ヤサガタムカシタモト、ミスジヨフバイ、ホウシュノタマ

チリメンダカラ二個目を拾えました!一個目と比べるとだいぶボロボロです。

よく細長いクチムラサキダカラを拾います。ぱっと思いつくのはタヒチクチムラサキダカラですが日本では拾えないので多分個体差。

 

/*

小休止。この記事を書いている時、奄美で拾ったチドリダカラに交じってテツアキがあるのではと思い、袋の中を探してみました。すると本当にそれらしいのを見つけました!

色々な特徴からテツアキチドリダカラとしましたがまだ拾ったことが無いので難しいです。

奄美のどこで拾ったのかが分からないのが惜しいです…

*/

 

他に行きたい場所があるのでこの付近ではあと一か所のみ行きます。その浜で初めてトマソンを発見。これでは降りられません、迂回してどうにか浜に入れました。

この浜での収穫

タルダカラ×2、ツノレイシ×2、リュウキュウマスオ合弁、ウズラガイ、コオニコブシ、マダライモ

 

そしたら一気に南下して今夜泊まホテルがある名瀬を目指しますが、まだホテルには行かずにコを続けます。

まずは大浜海浜公園、ここは近くにサンゴ礁もあるので期待していましたが、いざ降りるとそこにはきれいな砂しかありませんでした;; きっと整備されているのでしょうね…

そのあと漁港近くの浜ともう一か所行きましたが、漁港近くの方は貝は無く、二か所目は降りる事すら出来ませんでした。

漁港近くの浜での収穫

サメザラ合弁、キイロイガレイシ、トウマキフデ?、スソムラサキダカラ、ハナイモ

 

この先進んでも拾えなさそうなのでホテルの方に戻りますが、まだ日は暮れておらずビーチコーミングはできるので道すがら降りれそうな浜に行ってみました。近くの漁港から少し歩いて浜に降りると、まず目についたのが数多くのカスプです。

一つのカスプホーンに1~2個はよさげな貝が落ちています。

チヒロガイ

 

タマゴガイ

全てのカスプを見終わるころには袋が貝でいっぱいになっていました。ほかの場所では見ないような貝も沢山落ちていました。

この浜での収穫

中サイズ

ヤクシマダカラ幼貝、ホソヤクシマダカラ、タルダカラ、ゴマフイモ×2、ヌノメガイ、ヨツアナカシパン、スクミウズラ、ニッコウガイ、リュウキュウマスオ、チトセガイ×2

ニッコウガイはもっと綺麗なのを拾いたいところです。

 

リュウキュウアサリ、チヒロガイ、タマゴガイ、ボタンガイ、ムラサキツノマタモドキ、キイロダカラ、メノウチドリダカラ、シイノミクチキレ、シノマキ、マスオガイ、ネジマガキ、アジロイモ×2、ニセイボシマイモ

現地ではスルーしていましたが初採集のメノウチドリダカラを拾ってました!同じく初採集ニセイボシマイモも現地では気づいていませんでした。ネジマガキも嬉しいです。

 

ホテルにチェックインしてから夜ご飯を食べに行きます。

店主のおばあさんに貝を拾いに来たことを言うと、その方も貝も拾われているようで、ありがたいことに貝をいくつか頂いてしまいました!夜光貝の蓋以外はすべて自己採集とのことです。

ナツメモドキはまだ生体を見ていなかったので、気になって場所を聞いてみると快く教えていただきました。明日行ってみようかなー

 

奄美2024の他の日の記事 1日目 3日目 4日目