2024-01-30 日本 三重県
環天頂アーク、22°ハロ、幻日、上部タンジェントアーク、上部サンケーブパリーアーク、22°上部ローウィッツアーク、上部ラテラルアーク、幻日環、左上部一次パリーラテラルアーク(左上部一次テープアーク)
circumzenithal arc, 22°halo, parhelia, upper tangent arc, upper suncave Parry arc, upper Lowitz arc, supralateral arc, parhelic circle, upper Tape arc, Parry supralateral arc
帰宅中に明るい環天頂アークが出ていたので急いで帰って撮影に行きました。残念というほどでもありませんが、15:15に撮影を開始した時には環天頂アークは既に薄くなっていました。
この時は典型的なプレート配向メインのあまり良い現象が出ないタイプの空だと思っていて、雲も名前に"積"の字が付きそうな様子でしたが、不思議なことに上部凹パリーアークがありました。スタック(15:15~15:16,5枚)
パリーアークの左右が極端に薄くなっていますが、考えられる要因として、
①左右にパリー配向の氷晶がなかった。
②C軸が揺れているパリー配向だった。
③22°上部ローウィッツアークが重なっていた。
①はそのあとの写真でも同じ強度の変化がみられるので可能性は低いです。
②ではC軸がさらに揺れるとローウィッツアーク配向と同じ状態になります。なので上部凹パリーアークと22°上部ローウィッツアークが重なる場所が、重ならない場所より濃くなることは想像に容易いです。
③は②とは別で2種類の氷晶・配向が存在していて、次の画像にローウィッツアークが写っているので十分考えられます。
22°上部ローウィッツアーク(下部も？)が現れました。スタック(15:17~15:20,16枚)
幻日環も現れました。スタック(15:27~15:28,8枚)
明るい幻日の尾。スタック(15:32~15:36,23枚)
その後急激に上部タンジェントアークの分岐が明瞭になり、さらに環天頂アークや上部ラテラルアーク等の現象も出現してマルチディスプレイハロとなりました。
スタック(15:37~15:39,21枚)
環天頂アークと上部ラテラルアークが鮮やかになりました。とても綺麗です。スタック(15:39~15:42,25枚)
意外とすぐに質が悪くなりました。スタック(15:42~15:44,17枚)
少し経つと上部ラテラルアークの一部が明るくなったように見えました。位置的にはだいたい左上部一次パリーラテラルアーク(左上部一次テープアーク)に似ています。(15:45)
スタックしてみましたが太陽に凸の弧は見当たりません。ただ局所的に強度が強くなっているだけです。(15:45~15:46,10枚)
シミュレーションをしようとしましたが一時間ほど挑戦してもなぜかうまくいきませんでした。ですが大体の位置はあっているようです。判断がつかなかったのでTwitterの有識者の方々に頼ってみようとポストしました。するとある方からカラーのシミュレーション画像とそれを重ねた画像をいただいて、そのシミュレーションでは明るいところとパリーラテラルアークの位置がぴったり重なっていました。さらによく見てみるとラテラルアークとパリーラテラルアークは色が少し異なっているようです。前者は赤→緑→ほんの少し青ですが、後者は赤→黄→緑→青→紫といった感じで環天頂アークに近いです。アンシャープマスクの画像を見てみるとはっきりと青、紫が写っています。なのでこれは上部一次パリーラテラルアークでしょう。
日本初観測(地上＆上層雲での)といえるかどうかは怪しいですが、疑惑ではなく確実なものは初なのではないでしょうか。
＜日本で撮られたものでパリーラテラルアークの可能性があるもの＞
https://x.com/kagakusuru_sora/status/1559047067829665792?s=2
地上から上層雲。4枚目のB-R画像に左上部一次パリーラテラルアーク？
https://twitter.com/genjitsu_/status/1579854682599862274
飛行機から。一枚目にパリーラテラルアーク？
https://twitter.com/singlemanmaru/status/1744545567009821082
パリー配向もあるダイヤモンドダストハロ。上部ラテラルアークの左右が明るくなっている。
上部ラテラルアークの一部の強度が強くなっている。
幻日16:29
16:30
